【Python開発入門】VSCodeでPythonを使うための環境構築と実行方法
「プログラミングを始めてみたいけど、何から手をつければいいかわからない…」
「環境構築って言葉を聞くだけで難しそう…」
ほんの数ヶ月前の私も、まったく同じ気持ちでした。知識ゼロからスタートし、エラーの壁に何度もぶつかり、そのたびに解決策を探し回る日々。そんな私が、今ではAIの力を借りながら、独力でWebサイトを立ち上げられるまでになりました。
この記事は、そんな私が過去の自分に向けて書くつもりで作成した、「VSCodeを使ったPython開発環境の構築ガイド」です。専門用語をできるだけ使わず、私が実際につまずいたポイントや、「こう考えたら理解できた!」という経験をふんだんに盛り込みました。
この記事のゴールは、ただ手順をなぞるだけではありません。あなたの手で書いたコードが、あなたのPCで「動く」という小さな感動を体験し、プログラミング学習の最高のスタートを切ってもらうことです。コピペで動くコードも用意したので、安心してついてきてくださいね!
この記事を読めばできるようになること
- VSCodeでPythonコードを書き、実行できるようになる
- デバッグ機能の基本的な使い方がわかり、エラーの原因を自力で探せるようになる
- 「仮想環境」など、開発に必須の概念が理解できる
- エラーが出ても、AIに質問して自力で解決するヒントが得られる
STEP 1:Pythonのインストール【最初の最重要関門!】
まずは、プログラミング言語であるPythonをPCにインストールします。ここが最初の、そして最も重要なステップです。特に、ある一つのチェックを忘れると、後々「コマンドが実行できない!」という沼にハマるので、一緒に慎重に進めていきましょう。
公式サイトからインストーラーをダウンロード
何はともあれ、Pythonの公式サイトからインストーラーを手に入れます。
- Python公式サイトのダウンロードページにアクセスします。
- ページに表示されている「Download Python x.x.x」という黄色いボタンをクリックして、インストーラーをダウンロードしてください。(バージョンは最新の安定版でOKです)
【最重要】インストール時の魔法のチェック
ダウンロードしたインストーラーを開くと、インストール画面が表示されます。ここで、絶対に忘れてはいけないのが、画面下部にある「Add python.exe to PATH」というチェックボックスをONにすることです。
【元・初心者からの本音】PATHって一体なんなの?
私も最初、「PATHを通す」の意味が全く分かりませんでした。呪文にしか聞こえませんよね。
これは、PCに「Python君の住所(プログラムの場所)はここだよ!」と教えてあげる作業だと考えてください。この住所登録をしておかないと、いざVSCodeやコマンドプロンプトから「Python君、ちょっとこの仕事お願い!」と呼び出しても、PCは「え?Python君って誰?どこにいるの?」となってしまい、無視されてしまうのです(これが「コマンドが見つかりません」エラーの正体です)。
このチェックを一つ入れるだけで、面倒な住所登録(環境変数設定)を全部自動でやってくれる、というわけです。
チェックを入れたら、「Install Now」をクリックしてインストールを開始しましょう。完了したら「Close」で閉じてOKです。
インストールできたか確認しよう
本当にPCがPython君と知り合いになれたか、確認してみましょう。Windowsなら「コマンドプロンプト」や「PowerShell」、Macなら「ターミナル」を開いて、以下のコマンドを打ち込んでEnterキーを押してください。
python --version
Python 3.12.4 のように、インストールしたバージョンが表示されれば大成功です!もしエラーになる場合は、「Add python.exe to PATH」にチェックを入れ忘れた可能性が高いです。その場合は、一度Pythonをアンインストールして、もう一度この手順を試してみてください。
STEP 2:VSCode(Visual Studio Code)のインストール
次に、コードを書くための高機能なエディタ「VSCode」をインストールします。これはプログラマーにとっての「万能ナイフ」のようなもので、Pythonだけでなく、あらゆる言語での開発に使えます。
- VSCode公式サイトのダウンロードページにアクセスします。
- お使いのOS(Windows, Mac)に合ったボタンをクリックして、インストーラーをダウンロードします。
- ダウンロードしたインストーラーを実行し、画面の指示に従ってインストールを進めてください。基本的にはすべてデフォルトの設定のままでOKです。
STEP 3:VSCodeをPython仕様にカスタマイズ!【拡張機能】
インストール直後のVSCodeは、ただのテキストエディタです。ここに「拡張機能」という名の追加パーツを組み込むことで、超強力なPython開発ツールに変身させます。
まずはVSCodeを日本語化しよう
英語が苦手な方は、最初に日本語化してしまいましょう。
- VSCodeを起動し、左側にある四角が並んだアイコン(拡張機能ビュー)をクリックします。
- 検索窓に「Japanese Language Pack」と入力します。
- 一番上に出てくる地球儀のアイコンのものを選択し、「Install」ボタンをクリックします。
- インストール後、右下に表示される「Change Language and Restart」をクリックして再起動すれば、メニューなどが日本語化されます。
Python開発の必須拡張機能
次に、Python開発を劇的に楽にしてくれる、Microsoft公式の拡張機能をインストールします。先ほどと同じ拡張機能ビューで、「Python」と検索してください。
Microsoft提供の、青いチェックマークがついた「Python」を選択してインストールします。これ一つで、主に以下の機能がまとめて手に入ります。
- IntelliSense: コードを自動で補完してくれる賢いアシスタント。タイプミスが減り、開発スピードが上がります。
- リンティング (Pylint): コードの文法的な間違いや、推奨されない書き方をリアルタイムで指摘してくれます。
- デバッグ: コードを一行ずつ実行しながら、変数の状態などを監視できる、エラー解決の最強ツールです。
STEP 4:「仮想環境」を理解しよう【最重要概念】
さあ、いよいよコードを書いていきます!…とその前に、もう一つだけ、プロの開発では「当たり前」とされている超重要な概念、「仮想環境」について説明させてください。これが分かると、脱・初心者へ大きく近づけます。
なぜ仮想環境が必要なの?
私がこれを知った時、「なんでそんな面倒なことを?」と思いました。一言でいうと、「プロジェクトごとに、使う道具(ライブラリ)を隔離するため」です。
例えば、あなたが2つのプラモデルを作るとします。
- Aのプラモデル:説明書には「接着剤Xと塗料Yを使ってください」と書いてある。
- Bのプラモデル:説明書には「最新の接着剤Zと塗料Y(旧版)を使ってください」と書いてある。
もし、あなたの作業机が一つしかなかったらどうでしょう?接着剤XとZが混ざったり、新しい塗料Yを置いたせいで古い塗料Yが使えなくなったり…大混乱ですよね。
プログラミングも同じです。プロジェクトAでは「ライブラリXのバージョン1.0」を使い、プロジェクトBでは「ライブラリXのバージョン2.0」を使いたい、ということが頻繁に起こります。PC全体にライブラリをインストール(机にごちゃ混ぜに置く)してしまうと、こうしたバージョン違いに対応できず、プロジェクトが動かなくなってしまうのです。
そこで「仮想環境」の出番です。これは、プロジェクトごとに専用の「仮想的な作業机(道具箱)」を用意するようなものです。この箱の中に、そのプロジェクトで使うライブラリだけを入れることで、他のプロジェクトと道具が混ざるのを防ぎます。
仮想環境を作って有効化しよう
理屈はこれくらいにして、実際に作ってみましょう。
- デスクトップなど、好きな場所に新しいフォルダを作成します。ここでは「
my-python-project」という名前にしましょう。 - VSCodeを起動し、「ファイル」メニューから「フォルダーを開く...」を選び、先ほど作成した「
my-python-project」フォルダを開きます。 - VSCodeの「ターミナル」メニューから「新しいターミナル」を選択し、画面下にターミナルを開きます。
- ターミナルに、以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。これで「
.venv」という名前の仮想環境(道具箱)が作成されます。
python -m venv .venv
次に、作ったばかりの道具箱を使うために「有効化(アクティベート)」します。これは、箱のフタを開けるイメージです。コマンドがOSによって異なるので注意してください。
【Windows (PowerShell) の場合】
.venv\Scripts\activate
【Mac / Linux の場合】
source .venv/bin/activate
成功すると、ターミナルの行頭に (.venv) という表示が追加されます。これが、仮想環境に入っている(道具箱のフタが開いている)合図です!
STEP 5:ついに実行!"Hello, World!" を表示させよう
お待たせしました!準備は万端です。いよいよ自分の手でプログラムを動かします。
- VSCodeの左側エクスプローラービューで、「
my-python-project」フォルダの横にある「新しいファイル」アイコンをクリックします。 - ファイル名を「
main.py」として、Enterキーを押します。 - 開かれた
main.pyファイルに、以下の1行を手で打ち込んでみてください。(コピー&ペーストでも良いですが、最初は書く練習も大事です!)
print("Hello, VSCode World!")
コードが書けたら、VSCodeの画面右上にある「再生(▶)」のようなボタンをクリックしてください。
ターミナルに、以下のように表示されれば、あなたの最初のプログラムは無事に動きました!おめでとうございます!
Hello, VSCode World!
これが、プログラミング学習における「動いた!」という感動の瞬間です。この小さな成功体験の積み重ねが、学習を続ける何よりのモチベーションになります。
STEP 6:デバッグ機能を体験しよう【エラーの友達になる】
プログラムは、思った通りに動かないのが当たり前です。そんな時に、エラーの原因を探る最強の武器が「デバッガー」です。
デバッグとは?
デバッグとは、プログラムを途中で止めながら、その時点での変数の中身などをじっくり観察し、バグ(虫)を取り除く作業のことです。闇雲にコードを修正するのではなく、問題箇所を科学的に特定できます。
ブレークポイントを置いてみよう
まず、以下のコードをmain.pyに貼り付けてください。
name = "Copicode"
message = "Welcome to " + name
print(message)
num1 = 10
num2 = 20
total = num1 + num2
print(total)
次に、コードの行番号の左側をクリックしてみてください。赤い丸(●)が表示されます。これが「ブレークポイント」で、「デバッグ実行した時に、ここで一旦停止してね」という目印です。今回は、total = num1 + num2 の行(6行目)に設定してみましょう。
デバッグ実行!
- キーボードの
F5キーを押すか、左側の「実行とデバッグ」ビュー(虫に再生ボタンがついたアイコン)を開き、一番上の「実行とデバッグ」ボタンを押します。 - Pythonファイルを選択するダイアログが出たら、「Python File」を選びます。
すると、プログラムが実行されますが、ブレークポイントを置いた6行目の手前(5行目までが実行された状態)で停止します。このとき、画面左側の「変数」パネルを見てください。
name, message, num1, num2 といった変数が、どんな値を持っているかが一目瞭然です。まだ実行されていない6行目の変数 total は、ここにはまだありません。
画面上部に現れるデバッグツールバーの「ステップオーバー(↓)」ボタンを一回押すと、プログラムが1行進み、6行目が実行されます。すると、変数パネルに total: 30 が追加されるのが確認できるはずです。
このように、デバッグ機能を使えば、プログラムの内部で何が起きているかを手に取るように理解できます。エラーが出た時にprint文をたくさん書かなくても、原因箇所をスマートに見つけられるようになるのです。
【応用編】ライブラリを使って、"動いた!"の感動を深める
"Hello, World!" は素晴らしい一歩ですが、プログラミングの真の力は、世界中の開発者が作った「ライブラリ(便利な道具の詰め合わせ)」を使うことで発揮されます。
ここでは、外部のWebサイトと通信するための超人気ライブラリ `requests` を使って、気象情報を取得する簡単なプログラムを動かしてみましょう。
1. ライブラリをインストールする
仮想環境が有効化されている(ターミナルの行頭に (.venv) と表示されている)ことを確認して、以下のコマンドを実行し、`requests`ライブラリをあなたの「道具箱」に追加します。
pip install requests
pip は、Pythonのライブラリを管理してくれる便利なコマンドです。
2. 天気予報APIを叩くコード
main.pyの中身を一旦すべて消して、以下のコードを貼り付けてください。これは、日本の気象庁が提供している無料の天気予報APIから、東京の天気予報を取得するコードです。
# 最初にrequestsライブラリを使いますよ、という宣言
import requests
import json
# 気象庁のAPIエンドポイント(東京の天気予報)
url = "https://www.jma.go.jp/bosai/forecast/data/forecast/130000.json"
try:
# 実際にAPIにアクセスして情報を取得
response = requests.get(url)
# 取得した情報(JSON形式)をPythonで扱えるように変換
weather_data = response.json()
# 情報を整形して表示
publishing_office = weather_data[0]["publishingOffice"]
report_datetime = weather_data[0]["reportDatetime"]
target_area = weather_data[0]["timeSeries"][0]["areas"][0]["area"]["name"]
weather_info = weather_data[0]["timeSeries"][0]["areas"][0]["weathers"][0]
print(f"発表元: {publishing_office}")
print(f"発表日時: {report_datetime}")
print(f"対象地域: {target_area}")
print(f"今日の天気: {weather_info}")
except requests.exceptions.RequestException as e:
print(f"通信エラーが発生しました: {e}")
except json.JSONDecodeError:
print("天気情報の解析に失敗しました。")
except Exception as e:
print(f"予期せぬエラーが発生しました: {e}")
3. 実行してみよう!
いつも通り、右上の再生ボタンで実行してみてください。ターミナルに、今日の日付と東京の天気予報が表示されたら大成功です!
ほんの数行のコードで、外部のサーバーと通信し、意味のある情報を取ってこれました。これがプログラミングの面白さ、パワフルさです。この感動を忘れずに、次の学習へ進んでいきましょう!
【AI活用術】エラーが出たら、AIに聞いてみよう!
もしこのコードでエラーが出たら、絶好のチャンスです!ターミナルに表示されたエラーメッセージを全部コピーして、ChatGPTのようなAIに貼り付けて、こう聞いてみましょう。
【AIへの質問テンプレート(プロンプト)】
私はプログラミング初心者です。
以下のPythonコードを実行したところ、次のエラーが出てしまいました。
# --- ここにあなたのコードを貼り付け ---
(上記の天気予報コードを貼り付ける)
# --- ここまで ---
# --- ここにエラーメッセージを貼り付け ---
(ターミナルに出たエラーを貼り付ける)
# --- ここまで ---
エラーの原因と、解決するために何をすべきか、初心者にも分かるように教えてください。
AIは、エラーメッセージを読み解き、原因がライブラリのインストール忘れなのか、コードのタイプミスなのか、あるいはネットワークの問題なのかを、高い精度で教えてくれるはずです。エラーを恐れず、AIを優秀な家庭教師として活用する癖をつけましょう。
まとめ:最高のスタートを切ったあなたへ
ここまで、本当にお疲れ様でした!あなたは今、VSCodeを使ってPythonプログラムを動かすための、完璧な開発環境を手に入れました。それだけでなく、
- コードが動く感動
- エラーを解決する武器(デバッガー)
- 困ったときに頼れる相棒(AI)
も同時に手に入れたはずです。これは、プログラミング学習の道のりにおいて、とてつもなく大きな財産です。
今日体験した「動いた!」という小さな成功体験を大切に、これからも楽しみながら学習を続けていってください。あなたのクリエイターとしての旅は、まだ始まったばかりです!
環境構築でつまずかなかったとしても、プログラミングには様々なエラーがつきものです。次の一歩として、よくあるエラーとその解決法をまとめた、以下の記事もぜひ読んでみてください。
【よくあるトラブル対策】VSCodeで起こりやすいエラーとその解決方法まとめ